偶然ではないんです!(堤奈々子さん 長崎西高55回生-2003年卒)

55回生堤さん

長崎西高の個性豊かなOBの方々をご紹介する【WOW! 】 へようこそ!編集部の本多です。今回は55回の堤奈々子(つつみ・ななこ)さんにお話をうかがうことができました。 2021年9月現在、LINE株式会社で働く堤さん。高校生の頃には想像もしていなかった、思いがけないキャリアのことなどをうかがうことができました。

こんな人に読んでほしい

・好きなことが絞り切れず、進路や就職先に悩んでいる方

・東京や大阪に行くか、地方に残るかで悩んでいる方

・社会人1年目、2年目の方

堤奈々子さんのプロフィール

55回生堤さん

出身中学:桜馬場中学校

部活動:野球部(マネージャー)

入学した大学:関西学院大学 社会学部

現在の職業:会社員(LINE株式会社)

野球づけの高校時代

ーー(本多)ほとんど初めましてですね、よろしくお願いします。

(堤)そうですね。共通の友人を介して挨拶くらいはしたことがあるような気がするけど…よろしくお願いします。

ーー(本多)まずは、西高に入学するまでのことを教えてください。

(堤)はい、中学では野球部のマネージャーをやっていました。ドカベンが好きで、なかでも岩木が好きでしたね。西高は推薦で文コースを受験しました。面接当日にインフルエンザにかかってしまって…でも行きました。面接でそのことを正直に言うと、「根性あるね。」と褒めてもらいましたね(笑)

ーー(本多)それはすごいですね!高校生活はどうでしたか?

(堤)はい、無事に文コースに入って、念願の野球部のマネージャーにもなったのですが、部活が忙しすぎて…授業中はほとんど寝てましたね。先生からチョークを投げられたこともあります(笑)中村君とは文コースでクラスも3年間一緒でした。仲良くなったのは、在京同窓会のピュアエイジクラブ(若手同窓生の交流会)で再会してからですね。

野球部にどっぷりで勉強は全然だったので、模試の偏差値は30代…大学受験も先生には7割方無理と言われて、九州の別の大学を勧められたりしました。

ーー(本多)野球部の練習量はすごかったですよね…!大学選びはどうしたのでしょうか。

(堤)はい、関西学院大学を選びました。本が好きで、新聞社や出版社に行けたらなあ、と漠然と考えていたので、社会学系のところを探しました。あとは今考えると本当に何も考えてなかったなと思うんですけど、甲子園が近かったから…。

家庭の事情もあって、バイト代と奨学金で学費と生活費を払う必要があったので、大学時代は忙しかったですね。勉強も頑張って成績は良かったので、大学の給付型の奨学金を受けることもできました。

3回生の時に、中国に1年間留学しました。上海です。西高の修学旅行で北京に行って天安門広場を見て感動して、中国語を話せるようになりたいな、と。その時点では就活のことは何も考えてなかったですね。

就活は大失敗?!思いがけないキャリアのスタート

ーー(本多)修学旅行がきっかけで留学したんですね。その後の就職活動はどうでしたか?

(堤)今思うと本当にバカなんですけど、何も考えてなくて…出版社はどこか通るだろうと思っていました。エントリーシートは通ったんですけど、出版社は筆記の試験があるところも多いんですね。それで1年間中国にいて日本の時事も勉強してなかったから、筆記で通らず…。

どうしようかなと思っていた四年生の5月頃に、メーカーの二次募集がいくつかありました。それで日立に通って、働くことになりました。

日立では発電所とか、英国鉄道とか、花形部署に行きたかったんですが、中国語ができるからという理由で、全然知らないIT業界に…。中国からエンジニアを採用してくるという仕事です。

海外経験を活かして、IT業界へ!

それから、2016年からだったかな?シンガポールへ1年間行くことになりました。中国の経済成長で人件費も上がってきたので、ベトナムやミャンマーなどでエンジニアを探すためです。

ーー(本多)海外でもいろんな経験をされているんですね。

(堤)そうですね、シンガポールではかなりいろんな権限をいただいていたので、楽しかったです。それで日本に帰ってきたのですが、そうなると権限の範囲も小さくて、仕事が面白くなくなってしまって…。転職エージェントに行ったら、もうその場でほぼ確約、という形でLINE株式会社への転職が決まりました。

ただ、退職する時は大変でしたね…。退職届をなかなか受け取ってもらえず、かなり引き止められました。いろんな経験をさせてもらって、育ててもらって、会社としてもこれから、というところだったと思うので、それは申し訳なかったですが…。

ーー(本多)仕事で年数を重ねていくと、育てる側の気持ちもわかってきますよね…わかります! LINEではどんなお仕事をされているんですか?

(堤)LINEでは、アエンジニアやイベント、ライター、漫画家などの契約をする仕事をしています。やはりベンチャーなので、契約関係や権利関係などが整理されていない部分も多くて、日立での経験を活かして、ほぼ一人でそういう部分を整理しています。

ーー(本多)一人で!それはすごいですね。

(堤)そうですね。紆余曲折、いろいろあって進んだITの世界ですが、一生懸命やっていたらLINEという面白い会社に入ることができました。やっているうちに新しい道が見えてきたという感じです。

どうなるかわからないけど、面白い。そんなキャリアを楽しんで

ーー(本多)ありがとうございます。最後に、今の現役高校生に伝えたいことはありますか?

(堤)受験の失敗や就活の失敗などで思ってもみなかったところに行くかもしれないし、進んだ先でどうなるかもわからないけど、それが面白いと思います。高校は3年間ですが、仕事は何十年も続きますし、仕事をはじめてからの経験や変化の方が、すごいし、面白いです。

だから、無理して現役!国公立!と思い過ぎなくてもいいのではと思います。先生たちもこちらを思って進路をすすめてくれていますが、自分の興味や関心を素直に大事にしてもいいのかなと。それがどこでどう未来につながるかわからないし。お金のことも、大学の奨学金とか、調べてみると色々な制度があります。

大学選びでいうと、偏差値と合わせて就職実績はしっかり見るようにしていました。あと就活の事だけを考えても、都会に住むアドバンテージはすごいです…。主要な企業のセミナーは東京や大阪でしか開催しないことも多いので。これは高校生のうちに教えてほしかったなと思いますね。

ーー(本多)たしかに就活のしやすさは、随分違いますね。

それから、西高のつながりは大事にしてほしいなと思います。いろんなところで活躍している方も多いし、赤坂の長崎料理のお店に集まって話をするのも楽しいです。

人生なにがあるかわからないし、何か変化があった時に自分が面白いと思える方向へ進めるよう、勉強は、しっかりやっておいた方がいいかなと思います!

ーー(本多)ありがとうございました!

(編集後記)

今回の取材中に、 ジョン・D・クランボルツ教授の、「計画的偶発性理論」というものを堤さんから教えてもらいました。

こちらの本を僕も読んでみたのですが、共感できる部分が多かったように思います。変化や予測不可能なことが多い時代です。高校生の頃に想像もしていなかったような人生を送るという方も多いでしょうし、そもそも、10年前には存在しなかった仕事がどんどん産まれています。

西高OBの方のこれまでを取材することで、自分のキャリアについて幅広く柔軟な視点をもってもらうというのが、このサイトを作った目的のひとつです。堤さんのリアルなキャリアの取材を通して、何か考えるきっかけになれば嬉しいです!

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