夢を追い続けて!(樋口栞菜さん 長崎西高64回生-2012年卒)

長崎西高の個性豊かなOBの方々をご紹介する【WOW! 】 へようこそ!編集部の本多です。今回は64回の樋口栞菜(ひぐち・かんな)さんにお話をうかがうことができました。 2022年3月現在、大手広告代理店で働く樋口さん。西高出身者の中でも独特なキャリアを歩む樋口さんにお話をうかがいました。

こんな人に読んでほしい
  • 学校の成績が悪くて負い目を感じている
  • やりたいことがあるけれど、一歩踏み出せないでいる
  • このまま夢を追っていくべきか悩んでいる

樋口栞菜さんのプロフィール

出身中学:附属中学校

部活動:生物部

入学した大学:国際教養大学(秋田県)

現在の職業:会社員(大手広告代理店)

アーチェリーで国体にも!

ーー今日はありがとうございます!早速ですが、来月インドに移住されるんですよね!どういった経緯で移住することになったんでしょうか?

(樋口さん 以下敬称略)そうなんです!今お付き合いしている方がインドの方で、国に帰るから付いてきてほしいと言われて。先日、インドで彼の妹さんの結婚式に家族で参加したのですが、ご家族も皆さん本当にいい人で。思い切って移住を決めました!

インドの結婚式ってすごいんですよ。参列者も5~600人いて本当に賑やかなんです。

ーー600人!それはすごい!その話はまたのちほど詳しく聞くとして、まずは中学~高校時代のことを教えてください。

(樋口)はい。中学校は附属中学校でした。西高に進んで部活は生物部に入っていたんですが、それとは別に学外でアーチェリーをやっていました。

ーーアーチェリーは珍しいですよね!始めた理由はなんだったんですか?

(樋口)小さい頃にたまたまテレビで見た流鏑馬(やぶさめ)がとってもかっこよくって。親に「これをやりたい!」と言ったら、弓道場を色々と探してくれました。でもどこも「6歳だとまだ危ない」と断られてしまって。ところがアーチェリー場だけは6歳でも大丈夫とオッケーしてくれたんです。それで親子でアーチェリーを始めました。

ーーそうやって子供が言ったことにしっかり応えてくれるご両親だったんですね。アーチェリーはどのくらいやっていたんでしょうか?

(樋口)はい。アーチェリーにはかなり打ち込みました。高校生の頃は長崎県代表として国体にも出場して、新潟国体では全国2位になりました!

ーー全国2位とは驚きです!アーチェリーはずっと続けているんですか?

(樋口)大学生までは選手として続けていました。一緒に始めた父もアーチェリーが好きになって、今も続けています。アーチェリーは弓矢の調整とか、けっこう機械いじりみたいなこともあって、そういうのが好きみたいです。

ーーそうなんですね。アーチェリーにそういう側面もあるとは、知りませんでした!では次に、大学選びのことを教えてください。

テレビで見つけて一目惚れ。大学は秋田へ。

(樋口)はい、大学は秋田県の「国際教養大学」という学校を選びました。

ーーあまり聞きなれない学校ですよね。どうして選んだんですか?

(樋口)ある日テレビで特集しているのを見て、面白そうな大学だなと興味を持ちました。
学生は全員留学が必須だったり、面白い制度がたくさんある学校なんです。
オープンキャンパスに行って気に入ったので、それで受験を決めました。
国際教養大学はいろんな入試制度を取り入れていて、勉強をあまりしていなかった私にとってそこも魅力でした (笑)
ギャップイヤー入試という面接や論文中心の制度を使って受験をし、合格することができました。

ーー学生生活はどうでしたか?

(樋口)とっても楽しかったです!1学年180人くらいの小さな大学なのですが、1年生は全員寮に入って、留学生と一緒に生活をします。周囲にはコンビニも無いような山の中。一度学内に熊が出たこともありました。
留学はアメリカのペンシルバニア州の大学に行きました。単位交換で、日本の学費と同じ学費で1年間アメリカで学べるというのも、魅力的でしたね。
留学中も楽しかったですね。アメリカの大学は夏休みが2~3ヶ月あるのですが、その間暇なので、同級生が留学していたドイツへ行きました。 ドイツ、イタリア、ボスニア、クロアチア、スロベニア、チェコ、ギリシャ、とヨーロッパを旅行して回って。
ボストンで美術のサマーコースを受講したりもしましたね。

ーーアーチェリーも続けていたんですか?

(樋口)はい。国際教養大学にはアーチェリー部が無かったので、自分で近隣の秋田県立大学にコンタクトをとって、一緒に練習させてもらっていました。東北大会で優勝して、インカレにも出場しました。

ーーとっても活動的な学生生活を送っていたんですね!

(樋口)そうですね、でも高校生までは全然そんなことなくて。大学では同級生たちがいろいろと活動をしていたので、自然と「自分もやらなきゃ!」という感じでいろんなことをやっていた気がします。

スポーツビジネスの世界へ

ーー周りの人たちに影響されるというのは、ありますよね。

(樋口)そうですね。就職もそんな感じで、人づてでご縁があって入社しました。
元々スポーツビジネスに興味があったのですが、ギリシャで開催された「ユースリーダシップキャンプ」に参加した時にその話をしたら、ギリシャの友達が「自分の友達がそんな仕事をしているよ!」と日本人の方を紹介してくれて。
日本に帰った後、秋田から夜行バスで東京に行って、その方とお話することができました。
それほど多人数を採用している会社でもなかったのですが、たまたまサイトを見たら新卒採用をやっていて、採用していただきました。

ーーギリシャで日本の会社を知るというのは、面白い体験ですね。お仕事のことを教えてください!

(樋口)はい、仕事は広告代理店で、スポーツに関わる仕事をさせていただきました。長かったのは、スポーツイベントのマネジメントに携わる仕事です。東京マラソンや、東京オリンピック・パラリンピックに携われたのは嬉しかったですね。

ーー広告代理店は、就活でも人気の業界ですよね。具体的にはどんなお仕事があるんですか?

(樋口)たとえば東京マラソンだと、4万人の参加者が集まります。イベントが滞りなく進むように、いろんなことを決めていかなくてはいけません。
私はスタートエリアを担当したのですが、警備員をどこに立たせるかとか、誘導サインの表示とか、道路管理者(警察)への申請とか、仮設トイレの用意とか、軽食の調達とか設置とか、他にもいろいろと細々としたことを決めて、手配して、などひとつのイベントを成功させるだけでもたくさんの仕事があります。
あとはIT関連の新規プロジェクトのメンバーになったこともありました。海外のエンジニアとやり取りしながらランニングアプリの広報や顧客サポートなどをやったのですが、イベントの運営と掛け持ちだったので、この時はかなりきつかったですね…。
でも代理店の仕事は、全体としてとても楽しかったです。

そして、新しいチャレンジへ

ーーありがとうございます。そして次は、インドへ行かれるんですね。

(樋口)はい。昨年彼の妹さんの結婚式に参加した後すぐ、移住を決意して転職活動をしました。 ちょうど日本の商社の現地事務所でメンバーを募集していて、採用してもらえました。
これまでとはまったく違う業界なのでどうなるかはわかりませんが、楽しみです。

ーー国も仕事も変わるのは、すごいチャレンジですね。

(樋口)そうですね、今はヒンディー語のレッスンに週1回通っています。移住した後に現地で結婚式をする予定なので、移住したらその準備も!現地の暮らしの様子を発信するYouTubeをやってみたりするのもいいかなと思っています。インドの食事は本当に美味しいものが多いんです。彼はベジタリアンなのでその辺の勉強もしたいですね。

ーー樋口さんはとても楽しそうですね。私だったら不安でいっぱいになってしまいそうです(笑)最後に、現役の西高生に向けてメッセージがあればお願いします。

(樋口)自分が高校生の時の試験の成績を考えると、大学や今の会社に入るとは想像できませんでした。高校生の頃の成績だけ見たら、周りから見てもびっくりされるんじゃないかなと思います。当時は試験の結果で悩んだこともありますし…。
でも、自分のやりたいことを持ち続けて、気になる人に会う、気になることに挑戦する、ということを続けていくと、人とのつながりで次のステップに進めたりします。
「成績が悪いから…」 とあきらめずに、夢があったら、追い続けてほしいなと思います。
先日仕事で行った沖縄で、西高の同級生二人にたまたま会ったんです。バスケットボールの大会だったんですが、チアリーダーの中になんと西高の同級生が!
そしてその子を見に来ていたもうひとりの友達は、パイロット。
その二人もそんな職業につくなんて、高校生のときには想像もできませんでした。
思い続けていたら、なりたいものになれるんだな、と。
私自身も海外に行きたいとずっと思っていたら、本当に行くことになりました。高校生の頃は英語のテストが一番苦手だったのに、です(笑)
だから東大クラスとかじゃなくても、自信を失ってほしくないですね。
世の中に出ると、いろんなところで活躍している人がいます。

ーー私も勇気をもらえる素敵なお話をありがとうございました。インドからのYouTube、楽しみに待っています!

(樋口)ありがとうございました!

(編集後記)

在京同窓会の活動にも積極的に参加されていた樋口さん。前向きで楽しそうに話をしてくれた姿が印象的でした。私も大学を卒業して十年以上が経ちますが、高校生の頃の成績というのは、人の能力のほんの一部でしかないな、と思います。

同級生の有人達も、高校生の頃の成績や進学先とは関係なく、本当に様々な世界で活躍しています。

樋口さんのようなチャレンジ精神があれば、案外道は開けているのかもしれません。
大学生活で周りの人々に刺激を受けて行動的になっていった、と語っていたように、いい仲間に出会えることも、大切だなと思います。

偏差値だけでなく、どれだけ「濃い」学生生活がおくれそうか、という基準で大学を探してみるのも、とてもいい選び方なのではないかなと感じました。

夢に向けて一歩が踏み出せないという方、学校の成績が悪くて落ち込んでいる方が、この記事を読んで少しでも前向きになってもらえたら嬉しいです!

コメント

タイトルとURLをコピーしました