長崎西高福岡同窓会から投稿です。 今回は、49回生で声楽家として活躍されている永渕くにかさんをご紹介します。
数々のオペラ出演をはじめ、韓国・釜山芸術祭への招致や、故郷長崎の離島公演など、多方面で活躍されている永渕さん。福岡では「西高OBコーラス部」の指導も担当されており、福岡同窓会でも身近な存在として親しまれています。
■こんな人に読んでほしい
・音楽を仕事にしてみたい方
・県外で活躍する西高OBとのつながりを知りたい方
49回生 永渕くにかさん プロフィール
出身中学:横尾中 部活動:合唱部 進学先:活水女子大学音楽学部声楽学科卒 福岡教育大学大学院演奏学講座声楽領域修了 お仕事:声楽家
音楽大学進学をめざした高校時代。声楽家を目指したきっかけとは?
幼い頃、両親に懇願して買ってもらったピアノ。それ以来、夢中で練習したそうです。小学生の頃には「ながさき若い芽のコンサート」のピアノ部門オーディションに合格するなど、早くから音楽と関わってきました。
勉強はあまり好きではなかったため、「進むなら音楽の道がいい」と自然に思うようになり、音大進学を志すように。しかし、最初は声楽科に進む気は全くなかったといいます。
ピアノは楽器の中でも演奏人口が多く、また手が小さいことからピアノの師匠に「苦労するわよ」と言われ迷いがあったそう。音大への進学を真剣に考え始めた高3の時、声楽も試験科目にあるため人前で歌う練習のつもりで受けた高校音楽コンクールの声楽部門で金賞を受賞。周囲から「声楽科へ進んだら?」と勧められたのが転機でした。
ただ、当時の永渕さんは「声楽をしていることが恥ずかしかった」と。本来学校で受けるはずの表彰も先生に頼み込んで全て辞退したというエピソードが印象的です。5校合同音楽会などの合同合唱ではピアノ伴奏をしていたため、「ピアノ科へ進学した」と思っている同級生も多いのだとか。
つまり声楽家を目指すことになったきっかけは、--「成り行きですね(笑)」(永渕さん)。
声楽家としての活躍。オペラから歌のおねえさんなど活躍の幅を広げる
大学、ウイーンへの留学、大学院を経て、福岡で声楽家として活動をスタート。「愛の妙薬」「こうもり」「ヘンゼルとグレーテル」などのオペラに出演し、九州交響楽団とも共演。さらに「歌のおねえさん」として司会を務めるなど、舞台のジャンルは多岐にわたります。
毎年出演している福岡クリスマスマーケットや福岡ボルドーワイン祭りのステージでもおなじみの存在です。街中のイベントで活躍する西高OBの姿を見られるのは、とても誇らしいことです。
永渕さんが大切にしている活動の場には、病院や高齢者施設、ホスピスなどでのコンサートなどがあります。
反応がなかった高齢者が歌を聴いてシャキッと姿勢を正したり、「赤とんぼ」を暗譜で5番まで歌ってくれたり、涙を流して聴いてくださることもあるそう。
「むしろこちらがエネルギーをいただくことのほうが多いんです」(永渕さん)。
また子ども向けのコンサートも多く、保育園や学校では、子どもたちから大きなパワーをもらうとのこと。音楽を仕事とすることのやりがいが伝わってきます。
福岡同窓会との出会い。音楽を通して広がる家族のようなつながり
西高OBコーラス部は、23回生の山田みち代さん(元FM福岡アナウンサー)が発起人となり立ち上げた合唱サークルで、10年以上続いています。
永渕さんと福岡同窓会との出会いは、2010年頃。
オペラ公演「愛の妙薬」(演奏:九州交響楽団)でヒロインのアディーナ役に抜擢され、宣伝で福岡のテレビ局を訪れた際、偶然のご縁が生まれました。永渕さんが長崎出身と聞き、たまたま呼ばれてやってきたのが、当時ラジオ局の局次長だった24回生の山口一雄さん。
永渕さんが長崎西高OBだと分かると、「ちょっと頼みたいことがある」と。
その頼みごととは――
同年の福岡同窓会で上映する
「昭和と西高を振り返るスライドショー」×永渕さんの生演奏
という特別企画のコラボ出演。
山口一雄さん(24回生)の「巧みなスカウト術」がきっかけで、同じく放送業界の先輩である山田 みち代 さん(23回生)へとつながり、そこから西高OBコーラス部が誕生しました。
実は永渕さんのお父さまも、学生時代ラジオ番組を持ち、売れる前の井上陽水さんを起用するなど音楽の世界で活動されていたとのこと。山田 みち代 さんともつながりがあったそうで、まさに「ご縁が重なってコーラス部が生まれた」というわけですね。
西高OBコーラス部は、月に1〜2回練習を行い、現役世代からリタイア後の方まで幅広いメンバーが集まっています。
永渕さんは指導者として、多くのOBとの交流を育んできました。
「仕事でしばらく来られなかった方も、練習に来ると『おかえり!』と迎えられる、本当に“ホーム”のような場所です」(永渕さん)。
永渕さん自身も、結婚・出産を経て、メンバーから“娘のたくさんのジジババ”として温かく支えられてきたそうです。
産後わずか1か月で復帰した最初の仕事が、このコーラス練習だったというエピソードからも、深い信頼関係が伝わります。
「『大丈夫!いっぱいジジババいるから安心して連れてきて!』と声をかけてもらい、心強かったですね。私自身が西高OBコーラスのたくさんの父母に育ててもらっていて感謝しかありません。子育て相談はいつでも可能ですし。」(永渕さん)
練習では、日常生活で使う筋肉をゆるく鍛えて、ストレッチして、「ただ歌う」だけでなく、『健康にゆるく脳と身体を鍛えながら生き生きと毎日を送れるように』がモットー。「自由人・西高の集まりなので、いつもおしゃべりで脱線ばかりなんです(笑)」と笑顔で語る永渕さん。
年に一度の西高福岡同窓会はコーラスの発表の場として、メンバーにとって大きな楽しみになっています。
現在、永渕さんは西日本オペラ協会の理事、大学講師などを務めるほか、14回生の木下師博さんが立ち上げたNPO法人 福岡地域音楽振興会にも役員として参加。音楽と西高OBのつながりを大切にした今後の活動にもますます期待が高まります。
音楽イベントで「永渕くにか」さんの名前を見つけたら、ぜひ注目してみてください。きっと心に残る素敵なステージに出会えるはずです。



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